30/01/2019

半吸収性下地作りレポート1

 現在、週一で行われているヌードモデルの長期デッサン会に参加している。ちょうどいい機会だから、と油彩画のための半吸収性下地(エマルジョン塗料)作りに挑戦中だ。しかし何せ拠り所が教本と過去に受けた古典技法講義の記憶だけで、なおかつ初心者一人で行っているものだから、初っ端から失敗だらけだ。まあ何度かやるうちにいい具合というものがわかるようになるだろう、と楽観視して、制作をすすめることにする。

 その制作過程の覚え書きを記していこうと思う。

 まず、以前にTumblrの方へ載せた下地制作時の記事をここに書き写して、加筆・修正しておく。(※現在Tumblrは使っていない)


●はじめての半吸水性下地作りについての反省点

概要
・大きさはおよそP15号
・生麻布、膠水、白亜、リンシードオイル、卵黄を使用

反省点
・前膠の層が薄く、所々がきちんと目止めできていなかった。
・購入しておいた白亜の量をよく確認しなかった。(230g使用する予定だったが持っていたのは150g)
・慌てて量を調節したが、比重を考えなかったので結局は用意した膠水と白亜の比率を間違えた。
・部屋の温度が低かったため、前膠や作ったエマルジョン塗料がすぐに固まってしまった。
・出来上がった塗料の量が少なく、またすぐに固まってしまうため、途中で何度もぬるま湯を加えてしまった。
・結果、塗りムラがひどく、また理想の厚みを持った下地を作ることはできなかった。

今後の注意点
・材料はある程度前もって揃えておくこと。特に白亜・膠・リンシードの残量は使う毎に確認し、買えるときに買っておくこと。
・キャンバスを生麻布から用意するときは描き始めるまでに最低でも1週間が必要であるため、準備はできるだけはやく始めること。
・分量や比重について間違えやすいので、ガイドブックを作成し、いつでもわかりやすく確認できるようにすること。
・前膠を施す際は、裏面を必ず確認すること。
・部屋の温度に気をつける。冬場は室内を暖めておくこと。

以上。

 初歩的なミスもいいところだが、まあ次から気をつければいいだけだ。

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 そして今回は上記の工程を経て出来上がったキャンバスに、あらかじめ描いてあった裸婦像の下絵を転写し、イエローオーカーとライトレッドで下層描きを行った。案の定というか、ここでも新たに問題が発生した。


今回発生した問題点
・角にしわが出来た。
・転写した際に画面左上(しわが出来た箇所)にヒビが入り、下層描きが裏面へ染みた。
・下地の塗りムラがあるために部分部分で筆触が違い、マチエールが操作しにくい。

今後の注意点
・キャンバスは前膠を施したあときちんと張り直す。
・塗りムラを無くす。

 現時点で既にまともな絵にならないことが見えている。しかし予想外の収穫もあった。下地に塗りムラがあるために、厚みによる描き味の違いが比べやすかったのである。生地の布目が残っている方が私の好みだ。今後布目を残す方向で下地作りをするのであれば、塗料の重ね塗りは二回か三回でよさそうだ。このことは次回の制作のために念頭に置いておこう。