05/02/2019

創作キャラクターとステレオタイプ

 長いこと滞っていた創作を少しずつ再開しはじめた。

 それと同時に今まで作り出したキャラクターたちの設定を見直しているのだが、これがまあ古いこと。私が学生だった頃に作った人たちだから、世界観そのものが幼いまま放置されていたというのもある。しかしそれ以上に鼻につくのは、各キャラクターの設定から滲み出る(あるいは溢れ出る)ステレオタイプな過去の私。デザインも言葉選びもよくない。「女装/男装」「 目が細いから中国人」「黒人だからアフロ」etc.

 過去の自分に今以上の無自覚な偏見があったことは自覚していたけれど、ここまでとは思っていなかった。これはよくない、大部分を考え直そう、と急いで設定の骨子だけ抜き取って、ウェブ上にアップしていたデータをひとまず削除したのだった。

 抜き出した設定はスプレッドシートに入力して管理することにした。名前、身長、体重、年齢。抜き出す前のデータには項目に性別と血液型もあったのだが、そちらは削除した。血液型を決めたところで性格が決まるわけではない。要するに不要だ。そして性別の代わりに性自認の項目を付け足した。生物学的性も決める必要があるが、今の段階で明確な言葉にするのはやめておく。キャラクターのデザインを柔軟な感覚で見直したいと思ったからだ。「この人の身体は男」と決めたりすると、ごついデザインになりやすいという懸念がある。

 名前も考え直す必要があった。これらはかつてキャラクターの見た目に合わせて、自分の中にあった曖昧なイメージでルーツを決めたことを覚えている。立派な偏見だ。それに加えて少々年代的なものが多かった。例えば今を生きる二十歳の青年に「金右衛門」と名付けている、みたいなやつ。人口が少ない苗字もやめた。実在する家系を特定してしまう可能性がある。

 このような改名作業の際に便利だったのがWhat Does My Name Mean? The Meaning Of Namesというサイトだ。これだけでなく、実在する俳優やアーティストの名前を参考にしたり、Google翻訳による発音確認もしておくことにした。

 これで誰が見ても違和感のない名前付けは完璧……というわけにはいかないだろうが、大きな間違いを犯す可能性は存分に減る。

 他にも「これってどうなの?」と悩む部分があるが、少しずつ丁寧に決めていこうと思う。